概要

Pythonプログラミング学習の初心者が最初に学ぶべき基本的な計算方法について、図解を交えながら丁寧に解説します。足し算、引き算、掛け算、割り算といった基本的な四則演算から始め、プログラミングで頻繁に使われる剰余(%)、べき乗(**)、切り捨て除算(//)といった応用的な演算子までを網羅。
また、計算における優先順位のルールや、括弧()を使った計算順序の指定方法も学びます。さらに、数値を「変数」という箱に入れて扱う方法を紹介し、より実践的なコードの書き方の基礎を固めます。各所でMermaid形式の図を用いることで、計算のプロセスを視覚的に直感的に理解できるのが特徴です。
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ゼロから始めるPython学習 STEP20目次
プログラミング未経験者向けPython入門講座。環境構築から変数、if文、for文、関数といった基本までを20のステップでわかりやすく解説します。自分のペースで一歩ずつ着実に学び、プログラミングの第一歩を踏み出しましょう!
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目次
はじめに
プログラミングの世界へようこそ!このステップでは、プログラミングの第一歩とも言える「計算」について学んでいきます。Pythonは非常に優れた計算能力を持っており、まるで高性能な電卓のように使うことができます。ここで学ぶ足し算や引き算は、これから作る様々なプログラムの基礎となる重要な要素です。
1. Pythonの四則演算:基本の「き」
まずは、小学校で習った算数と同じように、足し算、引き算、掛け算、割り算をPythonで実行してみましょう。これらをまとめて四則演算と呼びます。
Pythonでは、計算に使う記号を演算子(えんざんし)と呼びます。
| 演算の種類 | 算数での記号 | Pythonでの演算子 |
| 足し算(加算) | + | + |
| 引き算(減算) | - | - |
| 掛け算(乗算) | × | * |
| 割り算(除算) | ÷ | / |
掛け算が *(アスタリスク)、割り算が /(スラッシュ)である点に注意してください。キーボードにある記号を使うため、算数とは少しだけ見た目が異なります。
▶ 足し算 (+)
2つの数値を足し合わせます。
Python
print(5 + 3)
実行結果:
8
この計算の流れを図で見てみましょう。
graph TD;
A[5] --> C[" + "];
B[3] --> C[" + "];
C --> D[結果: 8];
▶ 引き算 (-)
ある数値から別の数値を引きます。
print(10 - 4)
実行結果:
6
graph TD;
A[10] --> C[" ー "];
B[4] --> C[" ー "];
C --> D[結果: 6];
▶ 掛け算 (*)
2つの数値を掛け合わせます。
print(6 * 7)
実行結果:
42
graph TD;
A[6] --> C["*"];
B[7] --> C["*"];
C --> D[結果: 42];
▶ 割り算 (/)
ある数値を別の数値で割ります。割り算の結果は、割り切れる場合でも小数点を含む数値(浮動小数点数)になるのが特徴です。
print(10 / 2) print(7 / 3)
実行結果:
5.0 2.3333333333333335
graph TD;
A[10] --> C["/"];
B[2] --> C["/"];
C --> D[結果: 5.0];
2. もう少し便利な計算をしてみよう! 🚀
四則演算以外にも、Pythonには便利な計算機能が備わっています。これらを使いこなせると、プログラミングでできることの幅がぐっと広がります。
| 演算の種類 | Pythonでの演算子 | 意味 |
| 剰余 | % | 割り算の「あまり」を求める |
| べき乗 | ** | 「〜乗」を計算する |
| 切り捨て除算 | // | 割り算の答え(商)の小数点以下を切り捨てる |
Google スプレッドシートにエクスポート
▶ 剰余 (%)
割り算をしたときの「あまり」を計算します。この演算子は、例えば「ある数が偶数か奇数か」を調べたいとき(2で割ったあまりが0なら偶数、1なら奇数)など、様々な場面で活躍します。
print(10 % 3) # 10を3で割ると、商が3で「あまりが1」 print(12 % 2) # 12を2で割ると、商が6で「あまりが0」
実行結果:
1 0
graph TD;
subgraph "10 % 3 の計算"
A[10] --> C{"% (割って余りを求める)"};
B[3] --> C;
C --> D["結果: 1"];
end
▶ べき乗 (**)
同じ数を何度も掛け合わせる計算、つまり「累乗」を計算します。「2の3乗」であれば、23=2times2times2=8 となります。
print(2 ** 3) # 2の3乗 print(5 ** 2) # 5の2乗(5の平方)
実行結果:
8 25
graph TD;
subgraph "2 ** 3 の計算"
A[2] --> C{"** (べき乗)"};
B[3] --> C;
C --> D["結果: 8 (2×2×2)"];
end
▶ 切り捨て除算 (//)
割り算の結果から、小数点以下の部分をすべて切り捨てて、整数部分だけを取り出します。
print(7 / 3) # 通常の割り算 print(7 // 3) # 切り捨て除算
実行結果:
2.3333333333333335 2
通常の割り算 / では 2.33... となりましたが、切り捨て除算 // を使うと小数点以下が切り捨てられ、2 となることが分かりますね。
3. 計算の順序 🧠
Pythonは、私たちが数学で習ったのと同じように、計算の優先順位を理解しています。
()(括弧)の中が最優先**(べき乗)*,/,//,%(掛け算、割り算グループ)+,-(足し算、引き算グループ)
同じ優先順位のものが並んでいる場合は、左から右へと計算が進みます。
例えば、1 + 2 * 3 という式を考えてみましょう。Pythonは掛け算を先に計算するので、2 * 3 をまず行い、その結果の 6 に 1 を足します。
print(1 + 2 * 3)
実行結果:
7
この計算のステップを図で見てみましょう。
graph TD
subgraph "計算式: 1 + 2 * 3"
S(Start) --> P1("Step 1: 優先順位の高い掛け算を先に計算");
P1 --> V1("2 * 3 = 6");
V1 --> P2("Step 2: 次に足し算を計算");
P2 --> V2("1 + 6 = 7");
V2 --> E(End: 7);
end
もし、足し算を先に計算したい場合は、() を使います。
Python
print((1 + 2) * 3)
実行結果:
9
() で囲むことで、1 + 2 が優先され、その結果の 3 と 3 が掛け合わされて 9 となります。計算の順序を明確にしたい場合は、積極的に () を使うと良いでしょう。
4. 変数を使った計算 📦
プログラミングでは、数値を変数という名前を付けた箱に入れて、再利用することがよくあります。変数を使うことで、計算式が分かりやすくなったり、後から値を変更するのが楽になったりします。
# 変数 price に 500 を入れる price = 500 # 変数 tax_rate に 0.1 を入れる tax_rate = 0.1 # 税金を計算する tax = price * tax_rate print(tax) # 税込み価格を計算する total_price = price + tax print(total_price)
実行結果:
50.0 550.0
この流れを図にすると、以下のようになります。
graph TD
subgraph "変数を使った税込み価格の計算"
V1(500) --> A["変数 price"];
V2(0.1) --> B["変数 tax_rate"];
A --> C1{"price * tax_rate"};
B --> C1;
C1 --> T["変数 tax (50.0)"];
A --> C2{"price + tax"};
T --> C2;
C2 --> R["変数 total_price (550.0)"];
end
このように変数を使うことで、「price に tax を足して total_price を求めているんだな」というように、式の意味が格段に理解しやすくなります。
まとめ
今回は、Pythonを使った基本的な計算方法について学びました。
- 四則演算:
+,-,*,/ - 便利な演算:
%(あまり),**(べき乗),//(切り捨て除算) - 計算の順序:
()>**>* />+ -の順で計算される - 変数: 数値に名前を付けて計算を分かりやすくできる
これらの計算は、あらゆるプログラムの基本的な部品となります。ゲームのスコア計算、ショッピングサイトの合計金額、データ分析など、その応用範囲は無限大です。まずは電卓のように気軽に使いながら、少しずつ慣れていきましょう!
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