概要

企業常駐型のフリーランスエンジニアは稀に契約を反故にされることがあります。
契約を反故されたまま泣き寝入りする人も多いですが、正しく自分の主張をしなければ解決しません。
解決方法2つあり、1つ目が契約を遵守してもらう。もう一つが法的な処理(裁判)に移るかの2つです。契約を反故にされて法的な処置(裁判)になってしまう時の対処法まで記事にしました。
目次
この記事を書くに至った経緯
2013年2月からフリーランスとして仕事をしてきています。この7年間、契約内容と全然仕事をさせられるケースも何度もありました。今までは法律の知識が中途半端だったため諦めてしまったことも多々ありました。しかし、諦めなくても正しい知識があれば対処はできるので記事にしました。詳しい経緯は以下で説明します。
しかし、実際働き始めたら週5日強制させられ、週3日勤務の約束を守ってもらえない状況になり話し合いが始まります。



メールや口頭の約束について法律上の効力
民放555条の契約の成立要件で意思表示の合致のみで成立することからメールでのやりとりも契約書に書いていなくても成立します。
つまり、契約書に条件が書いていなくとも契約として成立します。
あまり詳しくないと契約書に書いてあることだけが契約で他は守る必要ないと勘違いする人は非常に多いです。これは間違いです。
もちろん証拠を保持しておかないと検証できないのでメールのやり取り電話での録音はしっかりしておくことが重要になります。
契約と契約書:なぜ書面にする必要があるのか?
契約とは、二者以上の間で「〇〇について合意しました」という約束のことです。口頭での約束でも契約は成立しますが、私たちはなぜ「契約書」という書面を作成するのでしょうか。その主な目的は、以下の3つにまとめられます。
- 約束の内容を正確に確認するため: 口頭での合意は、お互いの理解にずれが生じやすいものです。特に複雑な内容の契約では、書面にすることで双方の認識の齟齬を防ぎ、間違いなく内容を共有できます。
- 将来のトラブルを避けるため: 時間が経つと、約束の内容を忘れてしまったり、記憶が曖昧になったりすることがあります。後日、契約の履行や保証責任などで問題が生じた際に、書面があれば記憶違いによる無用な対立を防げます。
- いざという時の証拠とするため: 残念ながら、契約に関するトラブルが起きてしまうこともあります。そのような場合でも、契約書があれば裁判所などに提出し、どのような内容の契約がいつ成立したかを明確に証明できます。これにより、紛争をスムーズに解決することにつながります。
口頭の約束の危険性と契約書の重要性
口頭での合意は手軽ですが、前述の通り、お互いの認識の違いや記憶の曖昧さから、後々トラブルに発展するリスクをはらんでいます。特に、後で「言った」「言わない」の水掛け論になることを避けるためにも、契約書を作成し、合意内容を明確にしておくことが非常に重要です。
また、民事訴訟法には、本人または代理人の署名や押印がある私的な文書(契約書など)は、その記載内容が真実に成立したものと推定される、という定めがあります(民事訴訟法第228条第4項)。つまり、あなたが契約書に署名や押印をすると、そこに書かれている内容に合意したとみなされてしまうのです。
このため、契約書の内容をよく読まずに署名・押印したり、内容を理解しないまま署名・押印したりすることは、後で自分にとって不利な結果を招く可能性があるため、大変危険な行為です。
このような契約書の持つ重要な意味合いから、消費者契約法では、事業者が消費者と契約する際に、消費者の権利や義務、その他の契約内容が「明確で分かりやすいものになるよう配慮する」という注意義務を定めています(消費者契約法第3条第1項前段)。これは、消費者が契約内容を正しく理解し、不利益を被らないようにするための配慮なのです。
契約を守ってもらえそうにない時の対処
契約を守ってもらえそうにない時はまず、所属のエージェントにメールで連絡します。連絡内容はこちら
・ 誰かに相談したのか
・ 誰かとやりとりしたのか(できれば断りそうに「守りません」という言葉を聞き出してください)
メールで連絡したらエージェントを交えて十分な協議が必要になります。
エージェントから常駐先の企業と交渉をしてくれます。
ココに注意
困った時は一人で思い詰めて感情に任せて怒鳴り散らしたり暴力を奮ってしまったりすると負けてしまいます。そればかりか自分が悪者となり、常駐先企業だけでなくエージェントからも悪い印象を与えてしまいます。
法的な手段に入る準備として弁護士に相談
弁護士に相談するというイメージはあまり沸かないと思います。今までお世話になったことがないし別世界の話な気がする人も多いのではないでしょうか。
ただ、調べてみるとハードルはそこまで高くないです。
無料で相談をしてくれるところがたくさんあるのでまずは無料相談から連絡してみるのが良いでしょう。
以下の弁護士相談 1、2は弁護士に相談したい時の第一歩目のサイトです。電話で弁護士相談を実施してくれています。
どちらも弁護士に無料相談(電話代はかかります)ができます。
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まとめ
本当は揉めたくないですが、約束を反故にされて黙っておくことは良い結果をもたらしません。間違っていることは間違っていると指摘しなければなりません。
指摘しても問題が出てくるのであれば最後の手段として法律的な話も出してきています。
もし、企業から理不尽なことを求められたときにどういった処置ができるのか知っているだけでも安心です。そのための記事です。
できれば、みなさんも最終手段を使わないようプロジェクトが終わるようにしてほしいものです。